先日、家族3人でセブンカフェの「セレクトブレンド」3種類を飲み比べました。
選んだのは、
- キリマンジャロブレンド
- コロンビアブレンド
- グアテマラブレンド
同じコーヒーマシンから出てきた、見た目では区別のつかない3杯です。
ところが飲み比べてみると、苦みや酸味、コクの感じ方がそれぞれ違いました。
私は以前からキリマンジャロが好きなので、最終的に選んだのもキリマンジャロ。
息子はグアテマラ、普段はコーヒーよりお茶を好む旦那はコロンビアを選びました。
その時は、産地が違えば味も違うのだろうと思っていました。
でも、調べてみると、コーヒーの味を決めているのは産地だけではなかったのです。
セブンのコーヒーマシンが想像以上にすごかった
まず驚いたのが、セブンカフェのコーヒーマシンでした。
私たちは画面に表示された3種類から飲みたいコーヒーを選び、ボタンを押しただけです。
そのため、てっきり同じ方法で抽出しているのだと思っていました。
ところがセブンカフェのマシンは、コーヒー豆の特性に合わせて、
- お湯の量を1ml単位
- 蒸らしや注湯の速さを0.1秒単位
で細かく調整できるそうです。
さらに今回のセレクトブレンドでは、3種類それぞれに合った抽出条件が設定されています。
つまり、単に豆だけを取り替えていたのではありません。
キリマンジャロ、コロンビア、グアテマラ、それぞれの特徴を引き出すために、マシンの淹れ方まで変わっていたのです。
コンビニの片隅に置かれた機械だと思っていましたが、どうやら中には、小さなバリスタが入っているようです。
「○○ブレンド」には割合の基準があった
「ブレンド」が、複数の種類のコーヒー豆を混ぜたものだということは知っていました。
ただ、その商品名に産地や品種などの名前を付けるための基準があることは知りませんでした。
日本のコーヒー表示に関するルールでは、産地や品種などの名前を付けて「○○ブレンド」と表示する場合、その豆を30%以上使用することになっています。
レギュラーコーヒーやインスタントコーヒーの一般的な表示ルールでは、「○○ブレンド」と表示する場合、名前に使われている豆を30%以上使用するという基準があります。
ただし、今回のセレクトブレンドについて、セブンは詳しい配合割合までは公表していません。
ブレンドという言葉の意味は知っていても、「商品名に産地や品種の名前を付けるための割合にも基準がある」ということは、今回初めて知りました。
ブレンドという言葉の意味は知っていても、「名前になっている豆が何%入っていれば、その名前を付けられるのか」までは考えたことがありませんでした。
何となく商品名を見て選んでいましたが、そこにもきちんと表示の決まりがあったのです。
コーヒーの産地を、お米に置き換えてみた
説明を聞きながら、私はお米のことを思い出しました。
例えば、
- 秋田県産コシヒカリ
- 新潟県産コシヒカリ
- 岐阜県産コシヒカリ
同じコシヒカリという品種でも、育った土地の気候や水、土壌などが違えば、味や食感にも違いが出ます。
さらに同じ新潟県産コシヒカリでも、地域や田んぼ、その年の天候によって違いがあるはずです。
精米や保存の状態、炊く時の水加減や炊飯器の設定でも、炊き上がりは変わります。
コーヒーも、それとよく似ていました。
産地は味を知るための大きな手掛かりではありますが、それだけで味が決まるわけではないのです。

コーヒーの味を変えるもの
コーヒーの味には、たくさんの要素が関わっています。
育った環境
同じ国の中でも、標高や気温、雨量、土壌などは地域によって異なります。
標高が高い場所では気温が低くなり、コーヒーの実がゆっくり成熟します。その育ち方が、香りや味の成分にも影響します。
ただし、「標高が高ければ必ずおいしい」という単純な話ではありません。
豆の品種
同じりんごでも、ふじ・王林・紅玉では味が違います。
コーヒーにもさまざまな品種があり、甘みや酸味、香りなどに違いがあります。
収穫後の加工
コーヒー豆は、最初から茶色い豆の姿で木になっているわけではありません。
「コーヒーチェリー」と呼ばれる果実の中にある種が、私たちの知っているコーヒー豆になります。
果実から種を取り出し、洗ったり乾燥させたりする方法によっても、すっきりした味になったり、果実のような甘みや香りが残ったりします。
焙煎
取り出した豆を加熱する工程が焙煎です。
一般的には、浅く煎ると酸味や豆の個性を感じやすくなり、深く煎ると苦みや香ばしさが強くなる傾向があります。
ブレンドと淹れ方
ほかの豆とどのように組み合わせるかでも、苦み・酸味・コクのバランスは変わります。
さらに、豆の挽き方、お湯の温度や量、蒸らす時間、注ぐ速さによって、最後の一杯の味が変わります。
コーヒーの味は、
産地+育った環境+品種+加工+焙煎+ブレンド+淹れ方
が重なってできていたのです。
商品説明と違う感想でも、間違いではない
セブンの商品説明では、3種類の特徴を次のように紹介しています。
- キリマンジャロ:力強いコクと心地よい苦み
- コロンビア:まろやかなコクとほどよい酸味
- グアテマラ:華やかな香りと澄んだ味わい
一方、私たち家族の感想は少し違いました。
私はキリマンジャロを、酸味が少なく、苦みとコクのバランスがよいと感じました。
コロンビアは少し薄く感じ、その分、酸味が目立つように思いました。
グアテマラは苦みと酸味があり、3種類の中では一番クセを感じました。
息子はグアテマラについて、
「濃いけど、くどくないのは酸味があるせいかな」
と話していました。
公式の商品説明と同じ言葉ではありません。
けれど商品説明は、「このように感じなければ不正解」という模範解答ではないのです。
例えば、角の少ない穏やかな味を、
- 優しい
- まろやか
- 飲みやすい
- 薄い
- 物足りない
のどの言葉で表すかは、人によって違います。
私は苦みとコクのあるキリマンジャロが好きなので、コロンビアのまろやかさを「少し薄い」と感じたのかもしれません。
反対に、普段はお茶を好む旦那には、その穏やかさが飲みやすかったのでしょう。
味覚はテストではありません。
専門用語を知らなくても、
「薄く感じた」
「一番クセがあった」
「これが一番落ち着く」
それで十分なのだと思います。
今回の飲み比べでは、3種類の特徴だけではなく、
私は酸味が控えめで、苦みとコクのバランスがあるコーヒーを好みやすい
という、自分の好みも分かりました。
ちなみに、最初は「俺はいらんよ」と言っていた旦那は、私が3種類を一度に比べたかったため、実験に強制参加してもらいました。
コーヒーよりお茶派なので、残った分は私がおいしくいただきました。
旦那には特別参加賞を贈りたいと思います。
3つの産地を世界地図で見てみた
ここまで調べたところで、今度は3種類の産地が世界のどこにあるのか気になりました。
グアテマラは中米。
コロンビアは南米。
キリマンジャロは、東アフリカにあるタンザニアのコーヒーです。
世界地図で見ると、遠く離れた国々なのに、どれも赤道に近い一定の幅の中にありました。

この地域は「コーヒーベルト」と呼ばれています。
コーヒーベルトは、シルクロードのような道ではありません。
赤道を中心に、およそ北緯25度から南緯25度の間に広がる、コーヒー栽培に適した地域のことです。
温暖な気候、適度な雨、山地の標高や昼夜の寒暖差など、コーヒーの木が育ちやすい条件を備えた地域が、地球を横に囲む帯のように続いています。
シルクロードが「絹を運んだ道」なら、コーヒーベルトは「コーヒーを育てる地球の帯」といったところでしょうか。
象・猫・鳥のコーヒーも、同じ帯にいた
地図を見ているうちに、もう一つ気になったことがありました。
以前このブログで調べた、動物に関係する珍しいコーヒーです。
- 象のブラック・アイボリーはタイ
- 猫のようなジャコウネコに関係するコピ・ルアクはインドネシア
- 鳥のジャクーに関係するコーヒーはブラジル
この3つも地図に加えてみました。

すると、驚くほどきれいに、すべてコーヒーベルトの中に並びました。
別々の記事で調べてきた象・猫・鳥のコーヒーが、地球を横に囲む一本の帯でつながったのです。
コンビニで3杯のコーヒーを買っただけだったのに、セブンのコーヒーマシンの中から始まり、気づけば世界地図を眺めていました。
一杯の中には、産地だけでは語れない物語がある
飲み比べを始めた時、私は3つの産地の違いを比べているつもりでした。
けれど実際には、産地だけでなく、豆の品種や育った環境、加工、焙煎、ブレンド、そしてマシンの抽出方法まで重なった一杯を飲んでいました。
コーヒーの味は、産地だけでは決まりません。
それでも産地を知ることは、その一杯がどこから来たのかを想像する入口になります。
キリマンジャロ、コロンビア、グアテマラ。
見た目では区別できなかった3杯の向こうには、遠く離れた土地と、そこで育った豆と、それぞれの味を引き出そうとする人や機械の工夫がありました。
詳しい食レポはできなくても、
「私はこれが好き」
「これは少し薄く感じた」
「この酸味がおもしろい」
そんな小さな感想からでも、知りたいことはどんどん広がっていきます。
そして今回も、調べてみたら、知らなかった世界へつながっていました。
コーヒーを飲みながら、地球を横断したような気分です。


コメント