ある日、息子がドン・キホーテで冷麺を買ってきました。
安くなっていたそうです。
もともと私は冷麺が好き。
そこで息子と二人、軽い昼食として作って食べることにしました。
この時の私たちは、まだ知りません。
この一杯を食べたあと、まさかの酔っぱらい騒動が起きることを――。

酸っぱ辛いスープで、顔が熱くなった?
その冷麺は、酸っぱくて少し辛いスープでした。
食べている途中から顔が熱くなりましたが、私は特に気にしていませんでした。
「辛いものを食べてるからだろうな」
ところが、食べ終わってしばらくしても熱さが引きません。
それどころか、だんだん暑さが増しているように感じます。
ふと自分の手のひらを見ると、赤くなっていました。
「なんか、酔った時みたいじゃない?」
そう息子に言うと、私の顔を見た息子がひと言。
「顔、真っ赤だよ」
冷麺を食べただけなのに、見た目はすっかり酔っぱらいです。
私だけじゃない。息子も赤い!
最初は、自分の体調が悪いのだと思いました。
でも、よく見ると――。
息子の顔も赤い。
同じものを食べた二人が、そろって赤くなっています。
「これ、冷麺じゃない?」
二人で袋の裏を調べました。
原材料欄の中に見つけたのは、
原材料欄をよく見ると、麺、スープ、キムチの素――それぞれに「酒精」の文字がありました。

それでも、まだ信じられませんでした。
「製造過程で使っているだけで、食べる頃にはアルコールなんて抜けてるんじゃない?」
だって、これは冷麺です。
ブランデーケーキでも、ウイスキーボンボンでもありません。
「酒精(アルコール)を使用しておりますのでご留意ください」

さらに袋を読んでいくと、アレルギーに関する注意書きのそばに、こんな一文がありました。
「酒精(アルコール)を使用しておりますのでご留意ください」
……留意?
留意ってなんだよ!
もう二人とも顔が真っ赤です。
調べてみると、「注意」は危険を避けるために気をつけること。
一方の「留意」は、そのことを心に留め、判断する時に考慮することだそうです。
でも、判断するための情報が足りません。
子どもは食べていいの?
お酒に弱い人は?
これから運転する人は?
完成した冷麺には、どの程度のアルコールが残っているの?
いったい誰が、何に、どう留意すればいいのでしょう。
小さなブランデーケーキでも真っ赤になった私
ここで昔の記憶がよみがえりました。
以前、小さなブランデーケーキを食べただけで、顔が真っ赤になったことがあります。
特別な「大人向けケーキ」ではありません。普通のお菓子屋さんで売られていたものです。
それ以来、私はケーキやカステラ、チョコレートなどに洋酒が使われていないか、気をつけるようになりました。
でも、私の警戒網は完全に甘いもの方面へ張られていたのです。
そこへ、まさかの冷麺。
冷麺は完全にNOマークでした。
1時間後、旦那を迎えに行かなければならない
そして、ここで大きな問題を思い出しました。
約1時間後、私は車で旦那を迎えに行く予定だったのです。
「お酒を飲んだわけじゃないよね?」
「でも、アルコールは入ってる」
「これは飲酒? 酒気帯び?」
「運転してもセーフなの?」
頭の中に疑問が次々と浮かびました。
代わりに息子へ運転を頼もうにも、息子も同じ冷麺を食べ、同じように顔が赤くなっています。
効果がないと分かっていても、あがいてみた
水やコーヒーを飲めば、アルコールが早く抜ける。
そんなふうに信じていたわけではありません。
アルコールの分解には時間が必要だということは分かっていました。
それでも、何かせずにはいられません。
水を飲み、少し横になり、コーヒーを飲む。
お願いだから、早く元に戻って。
効果がないと分かりながら、できそうなことを一つずつ試しました。
実際、水をたくさん飲んでもアルコールの分解速度が速くなるわけではなく、代謝の大部分は肝臓で行われます。分解の速さには大きな個人差もあります。kennet.mhlw.go.jp
私は迎えに行ってしまいました
しばらくすると顔の赤みは引きました。
頭がぼんやりしている感覚もありませんでした。
そのため私は、
「もう大丈夫だろう」
と判断して、旦那を迎えに行ってしまいました。
幸い何事もなく旦那と合流し、帰りは旦那が運転してくれました。
でも、今振り返れば、運転しない方がよかったと思います。
顔の赤みが引いたことも、頭がはっきりしていると自分で感じたことも、体内からアルコールがなくなった証明にはなりません。
当時の呼気中アルコール濃度を測っていないため、法的に酒気帯びの状態だったかどうかは、今となっては分かりません。
ただ、警察庁は、基準値未満であっても酒気を帯びた状態で車両を運転することは禁止されていると案内しています。低濃度でも判断力や運転操作へ影響する可能性があります。www.npa.go.jp
今、同じことが起きたら私は運転しません。
旦那に事情を話して待ってもらう、タクシーを利用するなど、別の方法を探します。
事故が起きなかったことと、判断が正しかったことは別だからです。
正直、「R20って書いとけよ!」と思った
袋の注意書きを読んだ時、正直こう思いました。
「R20って書いとけよ!」
冷麺なんて、子どもだって普通に食べます。
お酒に弱い人も、これから運転する人も、「冷麺だから」と警戒せずに手に取るでしょう。
ただし、一般の食品には、アルコールが使われていることを目立つ形で表示する義務まではありません。使用した酒やアルコールを原材料欄に記載するのが基本です。www.faq.kokusen.go.jp
つまり、この商品が表示違反だったとは言えません。
でも、違反かどうかとは別に、消費者としてはもっと分かりやすく書いてほしい。
お子様、アルコールに弱い方、妊娠・授乳中の方、運転予定の方はお控えください。
せめて、誰が何に気をつけるのか。
「ご留意ください」の一言だけではなく、もう一歩具体的に伝えてほしかったと思います。
冷麺君、そのまま賞味期限を迎える

事件後も、同じ冷麺が家に残っていました。
しかし、袋を見るたびにあの日の赤い顔を思い出します。
どうしても食べる気になれず、そのまま置いていたら――。
一か月も賞味期限が過ぎていました。
消費期限ではなく賞味期限なので、過ぎた瞬間に食べられなくなるわけではありません。
それでも今回は、無理をして食べないことにします。
フードドライブへの寄付も考えましたが、多くの回収先では、賞味期限が1~2か月以上残っていることが条件です。期限を過ぎた食品は寄付できません。www.family.co.jp
捨てる前に、袋の表、原材料欄の「酒精」、注意書き、賞味期限を写真に残します。
冷麺君には、最後までこの記事の取材に協力してもらいましょう。
今度こそ、十分に留意します
冷麺は好きです。
今も好きです。
ただし次からは、酸っぱ辛さより先に原材料欄を確認します。
ケーキ、カステラ、チョコレートだけではありません。
お酒を連想しない食品にも、酒精が使われていることがあります。
そして、食べたあとに顔が赤くなったり、酔った時のような変化を感じたりしたら、運転しない。
今回、事故が起きなかったのは幸運でした。
アルコールを使用しているのでご留意ください。
はい。
今度こそ、十分すぎるほど留意します。
私たちは、食べてから気づきました。
だから、お酒に弱い人や食後に運転する予定がある人は、食べる前に一度だけ原材料欄を見てください。
「酒精」は、アルコールです。


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