前回、岐阜駅から特急ひだに乗って、
まだ来ていない未来へ、ひと足先に出発した私たち。
到着したのは、高山駅でした。
前回のお話 → 特急ひだで、未来へ
高山駅に着いた私たちが、次に向かうのは——
高山陣屋です。
荷物を預けて、高山陣屋へ
大きな旅行カバンを持ったまま観光するのは大変なので、今回は高山駅のコインロッカーに荷物を預けることにしました。
身軽になったところで、高山陣屋へ向かいます。

高山駅から高山陣屋までは、徒歩で行ける距離。
ただし、本番では体調や天候によっては、もっとゆっくり歩くかもしれない。
場合によっては、タクシーを使うという選択もあります。
今回の目的は、
「無理なく行ける方法を見つけること」。
それもロケハンの大切な仕事です。
そして——
高山陣屋に到着。
ここから、なぜかタイムスリップです。
高山陣屋に入ったら、江戸時代になりました

のあ

はい

折角だから江戸時代、行っちゃう?

……行きましょう
せ~ぇの・・・・・

姫まさみ、誕生。
そして、
姫のあ、誕生。
陣屋だからです。
アニめろも勿論一緒です。
犬ですが。
青海波——これ、なんぞや?
陣屋の中を歩いていると、目に入ってきた模様があります。

のあ姫、これ、なんぞや?

はい、青海波です

せいがいは?
高山、海ないけど?

そこですか(笑)
青海波とは、波がどこまでも続いていくように描かれた文様。
穏やかな波が続く様子から、平穏な暮らしがいつまでも続くようにという願いを表す吉祥文様として知られています。
高山陣屋では、玄関の床の間に青海波が描かれています。
そして、もうひとつ面白いことが。
現在ここで見られる青海波は復元されたもの。
原物は、このあと向かう御蔵に展示されています。

最後に本物が出てくるんだ

覚えておいてくださいね

真向兎——なんでウサギ?
さらに歩いていると、
今度は正面を向いたウサギを発見。

真向兎です

まむきうさぎ?
なんでウサギ?
実はこれ、釘の頭を隠すための飾りです。
いわゆる「釘隠し」。
ウサギは子どもをたくさん産むことから縁起のよい動物とされ、さらに火災から建物を守る魔除けという説もあるそうです。

なるほど。それで高山陣屋もウサギなんだ

それがですね・・・
なぜ高山陣屋で兎の意匠が使われたのかは、よく分かっていません

分からんのかい(笑)
分からないものは、分からない。
何百年も前の建物には、
そんな謎が残っているのも面白いところです。

嵐山の間——姫、完全に自宅だと思っています
次にやってきたのは、
嵐山の間。
ここは役宅の一部で、代官・郡代が日常生活を送った部屋。
本来は「御居間」と呼ばれ、奥には茶室もあります。

つまり?

今でいう居間ですね
……その言葉を聞いた瞬間。
姫達、
完全にくつろぎ始めました。

想像の世界では
姫まさみ、お茶。
姫のあ、お茶をたてる。
アニめろ、完全に昼寝。

編集長、自宅ではありませんよ

でも居間なんでしょ?

江戸時代の代官・郡代の、です
実際に休憩するときは、指定された休憩場所を利用します。
高山陣屋の見取図を見ると、入口近くの管理棟内に**「見学者休憩室」**があります。
※見学時は、当日の案内や係員の指示に従います。
大広間——49畳って、何するの?
次に入ったのは、
大広間。

広っ!
その広さ、
49畳。
3部屋続きになっている、高山陣屋で最も広い部屋です。

こんな広いところで何してたの?

年始など、大切な年中行事に使われていたそうです

宴会場みたい

現代のホテルではありません
なるほど。
江戸時代のお役所には、
大勢が集まるための場所も必要だったんですね。
そして——
広い畳を見ると、
走りたくなる者が約一名。

御白洲——時代劇で見る、あそこです
そして、
高山陣屋と聞いて、ここを思い浮かべる人もいるかもしれません。
御白洲。

ここ知ってる。時代劇でお裁きするところでしょ?

そういう役割もありました。でも高山陣屋には、御白洲が二つあるんですよ
ひとつは、村から出された訴えや願いを受け付ける、いわば役所の窓口のような役割。
もうひとつは、罪人の取り調べや判決を行う、法廷のような役割を持っていました。
時代劇で見る「お白洲」のイメージだけではなかったんですね。

御蔵——ここに年貢米が集まっていた
最後に向かうのは、
御蔵。
ここは、近隣の村々から納められた年貢米を保管していた米蔵です。
1695年に高山城三之丸から移築されたもので、建物自体は1600年頃に建てられたと考えられています。
現存する江戸時代の米蔵として、全国でも最古・最大級。

ここに年貢のお米が入ってたんだ

近くの村々から納められたものですね
大きな蔵を見ながら、ふと思いました。

ねえ、のあ
年貢って、今でいう税金でしょ?

そうですね。かなり近いです。ただ、今の税金とは少し仕組みが違います
江戸時代の年貢は、田畑からとれたお米を基準に納めるのが基本でした。特に農民にとって大きな負担だったんです

じゃあ、お給料から税金が引かれるんじゃなくて……

育てたお米から、お上の分を納める感じですね
学校で習った「年貢」。
言葉は知っていたけれど、実際にお米を保管していた御蔵の前に立つと、教科書の中の言葉が少しだけ現実のものに見えてきました。

そして。
ここで最初の伏線を思い出します。

編集長。最初に見た青海波、覚えていますか?
そう。
玄関で見た青海波の原物が、ここ御蔵に展示されています。
最初に見つけたものが、
最後の場所でもう一度つながりました。
江戸時代から、令和へ戻ります
こうして、
高山陣屋のロケハン終了。

のあ姫、そろそろ戻りますか

はい、令和へ・・・ですね

いえ、お昼ごはんへ
……そうでした。
このあと高山グリーンホテルでランチの予定です。
姫まさみ、終了。
姫のあ、終了。
アニめろだけは、
たぶん最初から最後まで食べ物のことしか考えていません。

ロケハンして分かったこと
今回、高山陣屋を想像の中で歩いてみて、
「何時に着く」
「何を見る」
「次はどこへ行く」
そんな予定ばかりではなく、
休憩場所
移動手段の選択肢
見どころ
そういうことまで分かって
「ここなら行けそう」
と思えました。
そして高山陣屋には、
青海波
真向兎
大広間
御白洲
御蔵
見て歩くだけでも
「これ、なんぞや?」
がたくさんありました。
知らないことを一つ見つけるたび、
旅がちょっと面白くなる。
本番では、
今日よりもっとゆっくり歩こうと思います。
まだ来ていない未来を、
今日もひと足先に歩いてみました。
つづく。
高山陣屋を出た私たち。
時計を見ると——
そろそろ、お昼。
次に向かうのは、
高山グリーンホテル。
今回の旅で、
旦那が楽しみにしているランチです。

ランチ?

お腹すいたね
次回のお話「高山グリーンホテルでランチ」


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