象さんが作るコーヒーを追え!ブラック・アイボリー現地捜査 |のあホームズ事件簿 File.002

コーヒー

File.001で発覚した、三つの事件。

🐘 象。

🐾 ジャコウネコ。

🐦 鳥。

なぜ、わざわざ動物のお腹を通ったコーヒー豆を飲むのか。

そして最大の謎。

なぜ象なのか?

これはもう――

現地へ行くしかありません。

というわけで。

タイに来ました!

本当に来たんですね……

ぞうさん!

のあホームズ事件簿。

初の海外捜査、開始です。

今回の捜査対象はブラック・アイボリー

まず、捜査対象を確認します。

ブラック・アイボリー・コーヒー。

使われるのは、タイ北部で栽培されたアラビカ種の完熟したコーヒーチェリー

「象さんコーヒー」という特別な種類のコーヒーの木があるわけではありません。

そもそも私たちが普段飲んでいるコーヒーも、最初はコーヒーの木になる果実、

コーヒーチェリー🍒

です。

果実の中にある種が、いわゆるコーヒー豆。

それを精製して、焙煎して、ようやく私たちの知っている茶色いコーヒー豆になります。

じゃあブルーマウンテンも?

元をたどればコーヒーチェリーです

キリマンジャロやいつも飲んでるコーヒーも?

コーヒーチェリーです

……みんなチェリーだったの?

今回の捜査、

象さんに到達する前から知らないことだらけです。

象さんは何を食べている?

では本題。

ブラック・アイボリーに使われるコーヒーチェリーは、公式情報ではタイ北部チェンライ県で栽培されたアラビカ種とされています。

完熟したチェリーを手摘みで選び、それをタイ東北部のスリン県へ運びます。

象はコーヒーチェリーだけを食べるわけではなく、草やバナナ、タマリンド、米ぬかなど、普段の食事とともに食べます。

そしてここから象さんのお腹の中で、コーヒーの精製が始まります。

公式によると、消化にはおよそ12~72時間

その間に消化酵素の作用や発酵が起こり、それがコーヒーの苦味や風味に影響すると説明されています。

72時間!?

個体や食べたものなどによって時間が変わります

誰が最初に待ってみようと思ったんだろう

そこも気になる。

そして、出てくる

避けては通れません。

象さんが食べました。

消化しました。

ということは当然――

出てきます。

ここです

私が一番知りたかったところです

File.001の事情聴取でも供述しました。

私は味より値段より、

工程が気になっていた。

だって、

うんちですよ?

そこからどうやって、

あの香ばしいコーヒーになるんですか。

💩 を飲んでいるわけではありません

象から排出されたコーヒーチェリーを、人の手で拾い集めます。

その後、

洗浄

天日乾燥

外皮を取り除く

選別

焙煎

などの工程を経て、ようやくコーヒーになります。

つまり、

象さんのうんちを飲んでいるわけではありません。

使うのは、その中から回収され、洗浄・加工されたコーヒー豆です。

え?象さんのうんちがコーヒーの香り?

豆です

あ、豆か

……。

でも。

一度お腹を通った豆が、

洗って、

乾かして、

焙煎すると、

本当にコーヒーになる。

ますます飲んでみたくなりました。

では、なぜ象なのか?

いよいよ今回の核心です。

象なら何でもいい。

……という話ではありません。

ブラック・アイボリーでは、象の長い消化時間と、その消化管内で起こる酵素作用や発酵が重要だとされています。

さらに象は草食動物。

体内には植物を発酵・消化するための環境があります。

その中をコーヒー豆が通る。

それによって普通の精製とは違う変化が起きる。

つまり、

象は単なる“運び屋”ではない。

象のお腹の中そのものが、

ブラック・アイボリー独特の工程の一部になっている。

じゃあ象さんが作ってるって、あながち間違いじゃない?

人間もかなり働いています

じゃあ共同制作だ!

……ま、まあ

どうしてそんなに高いの?

そしてもう一つ。

ブラック・アイボリーといえば、

高い。

なぜなのか。

理由の一つは、とにかく効率がよくありません。

象が食べたチェリーが全部、商品になるわけではない。

噛まれるものもあれば、

消化の途中で失われるものもある。

排出された後に人が探し、

回収し、

洗い、

乾燥させ、

さらに品質のよい豆を選別する。

公式では、完成したブラック・アイボリー1kgを作るために、およそ20kgのコーヒーチェリーが必要と説明されています。

20kgが……

約1kgです

そりゃ高いわ

ここへ来て、

初めて値段に納得しました。

象さんは、どう思ってる?

そして今回、

調べる前と後で一番考えが変わったことがあります。

私はタイへ行くと決めたとき、

象さんに乗りたい!

タイの象さんですよ?

乗らなければ象さんに失礼です

……くらいに思っていました。

私は、ルールを守って愛情を持って接すれば、

象も人とのコミュニケーションを楽しんでくれるんじゃないかと思っていたんです。

でも調べてみると、

象を使った観光については、飼育方法や訓練、触れ合い方などを含め、動物福祉の観点からさまざまな問題が指摘されています。

そこで私は初めて、

「もし象さんが辛いなら、考えなきゃ」

と思いました。

これは、

「象に乗る人が悪い」

という話にしたいわけではありません。

私自身、

知らなかったから乗りたいと思っていた。

だからこそ、

知ったあとで、どうするか考える。

今回の脳内旅行では、それでいいと思っています。

ブラック・アイボリーについても同じ。

「珍しい!」

「象のうんち!」

だけで終わらず、

象にとってどうなのか。

そこまで知ってから、一杯を飲みたい。

そして念願の一杯

捜査を続け、

ついに目の前に置かれた一杯のブラック・アイボリー。

湯気が立っています。

見た目は、

普通のコーヒー。

香りも――

……コーヒーの香り

コーヒーですから

でも象さんのお腹を……

その話、一口飲んでからにしません?

問題は、

最初の一口。

私はたぶん、

ここが勝負です。

一口飲んで、

「おいしい」

と思ったら。

きっとその瞬間、

象さんのお腹を通ったことなんて気にならなくなる。

そしてたぶん、

ファンになります。

ただし。

まさみさん

お値段を確認しましたか?

飲まないという選択肢も

それはありません

では?

おねだりです

いいでしょ?

のあ~ぁ

File.002 捜査結果

今回の最大の謎は、

「なぜ象なのか?」

でした。

調べて分かったのは、

象が単にコーヒーチェリーを食べているだけではないこと。

象の長い消化時間。
消化酵素。
消化管内での発酵。

そこが、ブラック・アイボリーを作る特殊な工程の一部になっていました。

そして象から出てきた後も、

人の手で拾い、

洗い、

乾かし、

選別し、

焙煎する。

象と人間、

そしてコーヒーチェリー。

いくつもの工程を経て、

ようやく一杯になる。

だから私は、

飲んでみたい。

最初は、

「臭くないの?」

だったのに。

調べ終わった今は、

「どんな味なんだろう?」

に変わっていました。

これにて、ブラック・アイボリー事件の捜査を終了します

お疲れさまでした!

のあが探偵帽を脱ぎます。

ここからは、

いつもののあ。

いつものまさみ。

そしてアニめろ。

では、帰りましょうか

…………

せっかくタイまで来たんだよ

……嫌な予感がします

そう。

捜査は終わりました。

でも――

旅行は、まだ終わっていません。

次回のお話

探偵帽を脱いだのあと、

まさみ、

アニめろ。

三人で、

タイを遊びます。

世界遺産アユタヤ。

木の根に包まれた仏頭。

夕暮れの寺院。

辛いものが苦手なまさみのタイ料理問題。

そして――

のあ!ピンクの象さん!!

象さんではありません

神様です

神様なのぉおおおお??!!

次回。

「のあと一緒・タイ寄り道編」

今度は捜査じゃありません。

たぶん。

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