象の次は猫!?コピ・ルアックを追ってインドネシアへ|のあホームズ事件簿 File.003

のあと一緒

ブラック・アイボリー事件は、無事解決しました。

タイまで象さんを追いかけ、

コーヒーチェリーを食べてもらい、

そのあと出てきた豆がどうやって一杯のコーヒーになるのかを調べ、

最後には私も飲んでみました。

そして――

そのまま帰ればいいものを、

「せっかくタイまで来たんだよ」

の一言でアユタヤまで遊びに行きました。

木の根に包まれた仏頭を見て、

ピンクのガネーシャまで発見して、

危うく別の捜査が始まりそうになりましたが。

ガネーシャの謎は、またの機会に。

日本へ帰ってきた私の前で、

のあが再び探偵帽をかぶりました。

まさみさん

次の捜査です

もう?

File.001で、まだ二件残っています

のあが手帳を開きます。

🐘 象――ブラック・アイボリー。捜査済み。

🐾 ジャコウネコ――コピ・ルアック。

🐦 鳥――ジャクー。

今回は、こちらです

のあが指したのは――

ジャコウネコ。

どうやら私たちのコーヒー事件簿。

まだ終わらないようです。

第二の容疑者は、象より有名だった

「今度はコピ・ルアックを調べるんだよ」

旦那に話してみました。

すると、

「ああ、猫のコーヒーでしょ」

…………。

知ってるの!?

ブラック・アイボリーは知らなかったのに?

私にとっては、

「象のうんちから作るコーヒーがある」

というだけで十分すぎるほど珍しかったんです。

だからFile.001でコピ・ルアックの存在を知ったとき、

正直、

「裏切られた!」

と思いました。

それは、希少なものは一つしかないから希少なんだ。

と勝手に思っていたのかもしれません。

象さんだけだと思っていたのに。

猫までいた。

しかも旦那は知っていた。

そういえば、昔見た映画に出てきたのも猫コーヒーだった気がします。

のあ

ひょっとして……

象さんより、こっちの方が有名?

捜査してみましょう

そもそもコピ・ルアックって何?

まず名前から。

Kopi(コピ)は、インドネシア語でコーヒー。

そしてLuwak(ルアック)は、コピ・ルアックに関わるジャコウネコを指す言葉です。

つまりコピ・ルアックは、

ジャコウネコが食べたコーヒーチェリーの種が消化管を通り、排泄されたあと、その豆を回収して洗浄・乾燥・焙煎などの工程を経て作られるコーヒーです。

…………

まさみさん?

どうしました?

だいたい象さんと一緒じゃん

ブラック・アイボリーと同じく、出発点はコーヒーチェリー。

動物が食べる。

果肉などが消化される一方、種であるコーヒー豆は消化管を通って外へ出る。

それを回収してコーヒーにする。

ブラック・アイボリー事件を経験した私は思います。

「象さんの巨大ウンチに比べれば、かわいいもんでしょ」

コピ・ルアックは、誰が最初に飲んだの?

ここで、どうしても気になることがありました。

「そもそも最初にこれ飲もうと思った人、誰?」

ジャコウネコの排泄物の中にコーヒー豆を見つけて、

「これ、洗って焙煎したら飲めるんじゃない?」

と思った人がいたはずです。

コピ・ルアックの始まりについては、オランダ植民地時代のインドネシアのコーヒー農園に由来する、という説があります。

広く語られている話では、農園で働いていた現地の人々が自由にコーヒーを利用できなかったため、ジャコウネコの排泄物に残った豆を集め、洗って焙煎して飲むようになった――とも言われています。

ただし、この詳しい経緯については、今回調べた範囲では一次資料まで確認できませんでした。

これがコピ・ルアック誕生の真相です!

とは言い切れません

でも、そんな説が残っていること自体は、とても興味深い話です。

もしそれが本当なら

最初に飲んだ人、すごくない?

コピ・ルアック最大の謎は、

ジャコウネコではなく――

最初に飲んだ人だぁれ?」なのかもしれません。

そして、象と同じなわけがない

工程だけ見れば似ています。

でも。

象さんとジャコウネコ。

体の大きさが、全然違います。

暮らしている環境も違う。

食べているものも違う。

気候だって違う。

「体の中にいる時間も違いそう」

私はそう思いました。

だったら、

同じコーヒーチェリーが動物の体を通ったとしても、同じことが起きているとは限らない。

コピ・ルアックについては、消化管内で酵素や微生物などの影響を受けることが、豆の成分や風味に関係しているのではないかと研究されています。

ただし、

消化管内の微生物叢を調べた研究でも、腸内発酵が独特の風味に関与する可能性は示されているものの、その生物学的な仕組みはまだ完全には分かっていません。

さらに、コーヒーそのものの種類や産地、熟し方、加工、焙煎なども当然味に関わります。

ところで、ジャコウネコってどんな猫?

ここで私は、今回の主役について考えました。

ジャコウネコ。

名前に「ネコ」と付いています。

ツシマヤマネコとか、イリオモテヤマネコみたいな感じ?

まさみさん

まずそこから訂正します

私たちが普段いう“猫”とは別の仲間です

え?

…………

猫じゃないの!?

コピ・ルアックに関わるアジアパームシベットは、食肉目ジャコウネコ科の動物。

ネコ科のイエネコやヤマネコとは別のグループです。

夜行性で、果実などを食べる雑食性の動物です。

私の頭の中では

アニめろがジャコウネコに近づいて

ジャコウネコに

「シャーーーッ!」

って怒られて

全速力で私のところへ逃げてくるのが想像できました。

まさみさん

想像だけにしてくださいね

野生動物ですから

なんでコーヒーチェリーを食べるの?

次の疑問。

「そもそも、なんでジャコウネコはコーヒーチェリーを食べるんだろう?」

私の予想は単純でした。

「たまたまそこにある木の実だから?」

ところが。

どうやら、それだけではなさそうです。

コピ・ルアックに関わるアジアパームシベットというジャコウネコの一種は果実を食べる動物で、コーヒーチェリーも食べます。

そしてコピ・ルアックについて昔から語られてきた特徴の一つが、

熟したコーヒーチェリーを選んで食べる

ということ。

動物生態の資料でも、アジアパームシベットが熟したチェリーを選ぶ傾向が、コピ・ルアックの特徴として説明されています。

選んでるの?

そう考えられています

グルメじゃん

ただし、

コーヒーは、品種・栽培・収穫・精製・焙煎など、いろいろな要素で味が変わります。

今回の捜査。

思っていたより奥が深い。

そして、例のものを発見しました

まさみさん

ありました

何が?

のあが地面を指します。

…………。

あ。

例のもの。

近くで見ます?

もちろん

私はもう、象さんを経験しています。

象さんの巨大ウンチに比べれば、かわいいもんでしょ

比較対象がおかしいです

でも、ここで捜査の空気が変わりました

ここまでは、

象の次はジャコウネコ。

どんな味なんだろう。

どんな工程なんだろう。

そんな好奇心で追いかけていました。

でもコピ・ルアックを調べると、

笑って通り過ぎることのできない話

にもぶつかりました。

本来、野生のジャコウネコが自然にコーヒーチェリーを食べ、その排泄物から豆を集める方法があります。

しかしコピ・ルアックが高価な商品として知られるようになり、ジャコウネコを捕獲してケージで飼育し、コーヒーチェリーを与える生産や、観光客に見せる施設も生まれました。

2024年に公表された研究では、バリ島の29のコピ・ルアック観光農園を調査。

飼育環境や管理状況を評価した結果、ジャコウネコの福祉に関する問題が確認されています。

これは……ちゃんと書こう

事実として伝えなきゃね

そうですね

珍しいコーヒーなのは事実。

飲んでみたいと思ったのも事実。

面白い工程にワクワクしたのも事実。

そして、

その裏側で問題になっていることがあるのも事実。

だったら、

都合のいいところだけ切り取って、

「珍しい!高級!飲んでみよう!」

で終わらせるのは違うと思いました。

「野生のものを選べば大丈夫」でもなかった

野生のジャコウネコが自然に食べたものなら選んでいいの?

私も最初はそう思いました。

ところが、

「Wild」「野生由来」「ケージフリー」と表示されていても、それが本当に野生個体由来なのかを消費者が確実に判断するのは簡単ではありません。

野生由来として販売される商品の真正性についても問題が指摘されています。

じゃあ、どうしたらいいの?

簡単に答えは出せませんね

知ったからといって、

いつも気持ちよく答えが出るわけじゃない。

それも今回の捜査で分かったことでした。

もし実際に購入したり飲んだりするなら、

どこで、どのように作られたものなのか。生産者がどこまで情報を公開しているのか。

私はそこまで見てから選びたいと思います。

それでも私は、飲んでみたい

少し複雑な気持ちになりましたが、

コピ・ルアックそのものへの興味がなくなったわけではありません。

もし、生産方法まで納得できる一杯に出会えたなら。

私は飲んでみたい。

目の前に置かれた一杯。

香りを嗅ぎます。

もうなんの躊躇も抵抗もありません。

ブラック・アイボリーで知ったから。

のあ

私、もう慣れたよ

何にですか?

💩経由

その表現はやめてください

象さんのコーヒーを知ったことで、

作られる工程が特殊だからといって、それだけで味まで決めつける必要はない

と思えるようになりました。

今回、私が知りたいのは、

飲めるかどうかじゃない。

なぜ、ブラック・アイボリーとは違うのか。

象とジャコウネコでは、体内で起こることも違うはず。

滞在する時間も違うかもしれない。

気候も違う。

食べるチェリーも違うかもしれない。

産地も、精製も、焙煎も違う。

研究でも、コピ・ルアック特有とされる風味を「消化管を通った」という一つの要因だけで説明するのは難しく、まだ研究途上の部分があるとされています。

だから私は、

象と猫、どっちがおいしい?

だけでは終われそうにありません。

コーヒーって、

思っていたよりずっと複雑です。

第二の容疑者、捜査終了

のあが手帳を開きました。

🐘 ブラック・アイボリー――捜査済み。

🐾 コピ・ルアック――捜査済み。

そして。

最後に一つ。

🐦 ジャクー――未捜査。

まさみさん

次、鳥が残っています

三件目だね

GO!

私は腕を組みました。

模倣犯の可能性もあるからね

誰が誰を模倣したんですか

それを調べるのが探偵でしょ

File.001で、

「ジャクー、おまえもか……」

と思った第三の容疑者。

いよいよ次は、

鳥です。

……その前に

捜査終了。

のあが探偵帽を脱ぎました。

では、日本へ帰りましょうか

のあ

せっかくインドネシアまで来たんだよ?

…………

どこへ行きたいんですか?

これから考える^^

のあはゆっくり探偵帽を鞄の中へしまいました。

コーヒーを追って海外まで来たら、そのまま帰れるわけがない。

これはもう、

お約束です。

次は少しだけ探偵を休んで。

まさみ・のあ・アニめろ、

三人でインドネシアを歩いてみようと思います。

コーヒーを追って来たはずなのに。

今度は何が心に残るのでしょう。

つづく。

この記事について
「のあと一緒」は、AI社員のあと一緒に「行ってみたい・知ってみたい」を楽しむ想像旅行シリーズです。観光地や文化、コーヒーなどに関する情報は、公開資料を確認しながら構成しています。実際に訪問・体験した旅行記ではありません。

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