ジャクーコーヒーって何?鳥のフンから生まれるブラジルの高級コーヒー|のあと一緒・ブラジル編

お知らせ

コピ・ルアック。 猫のフンからコーヒー。

ブラック・アイボリー。 象のフンからコーヒー。

ここまで来たら、もう私は多少のことでは驚きません。

そして今回――

鳥のフンからコーヒー。

これで3件目です。

ウンチコーヒー、もう怖くない。

鳥のフンって、あの白いやつじゃないの?

鳥のフンからコーヒーが作られるんだって

のあにそう言われて、私の頭に最初に浮かんだのはコーヒーではありませんでした。

朝、出かけようとして車の窓に白い液体っぽいものが、

ベタッ。

うわっ!

……あれです。

だから、

「鳥のフンの中からコーヒー豆を拾う」

と言われても、まったく想像がつきません。

今回の主役は、ブラジルに暮らすジャクーという鳥。

ジャクーは果実を食べる鳥で、コーヒー農園にもやってきて、熟したコーヒーチェリーを食べます。

そして消化されたあと、種であるコーヒー豆が排泄される。

人間はその豆を回収し、洗浄や乾燥などの処理をしてコーヒーにする。

……やっぱり今回も、始まりはウンチでした。

ジャクーは、もともと農園の困ったお客さんだった

今回調べたのは、ブラジル・エスピリトサント州にあるカモシン農園

国営ではなく、民間のコーヒー農園です。

この農園では、森林を守りながら有機・バイオダイナミック農法によるコーヒー栽培を行っています。

そこに暮らしていたのがジャクー。

ところがジャクーは、農園側から見ると少々困った存在でした。

なぜなら、

せっかく育てたコーヒーチェリーを食べるから。

カモシン農園自身も、かつてジャクーは大量のコーヒーを食べるため害鳥のように考えられていたと説明しています。

普通なら、

「どうやって追い払おう」

と考えそうです。

ところが、この農園の人は違いました。

コピ・ルアックの存在をヒントに、

「この鳥が食べた豆、コーヒーにできるんじゃない?」

と発想を変えた。

カモシン農園では2006年にジャクーコーヒーの生産を始め、最初は数kgだった生産量が、2008年には年間約150kgになったとしています。

私は思いました。

やっぱり模倣犯じゃんwww

二番煎じなら、猫を超えてください

コピ・ルアックを参考にした。

なるほど。

ただ猫を鳥に変えただけなら、

二番煎じです。

せっかく3件目まで来たんだから、ジャクーには猫の上をいってもらわないと満足できません。

ところが調べていくと――

ジャクー、ちゃんと独自機能を搭載していました。

ジャクーは「天然の豆取り出し製造機」だった

コーヒーチェリーは、私たち人間も食べられます。

でも、普通の果物と比べると果肉は少なく、中には大きな種があります。

そして、その種こそがコーヒー豆。

ジャクーは熟した実を自分で選び、丸ごと食べます。

果肉は消化され、種は外へ出てくる。

そこで私は気づきました。

これ、人間から見たら便利な豆取り出し製造機みたいなものじゃない?

しかもただの製造機ではありません。

ジャクー自身が食べたい実を選ぶので、

完熟チェリー選別機能付き。

人間が機械を作ったら、かなり高性能そうです。

🐦
「ただ食べてるだけですけど」

しかも、お腹の中で豆まで変化していた

さらに調べてみると、ジャクーは単に果肉を取り除いているだけでもありませんでした。

2022年に発表された研究では、ジャクーを通ったコーヒー豆と通常処理された豆を比較したところ、ジャクーを通った豆ではカフェインやクロロゲン酸の量が少なく、脂質の構成にも変化が確認されました。

研究では、ジャクーによる消化処理でカフェインが約69%、クロロゲン酸が約28%減少したと報告されています。

ただし、この研究はサンプル数が少なく、研究者自身もケーススタディとして慎重に扱っています。

なので、

「ジャクーコーヒーなら必ずカフェイン69%オフ!」

という話ではありません。

それでも、鳥のお腹を通ることで豆の成分に何らかの変化が起きている可能性はありそうです。

つまり、

「天然の豆取り出し製造機」

どころか、

選別
+果肉処理
+消化によるバイオプロセス

までやっていた。

ジャクー。

思ったより多機能でした。


それでも私が一番リスペクトしたのは、味じゃない

ここまで調べて、私がいちばん「いいな」と思ったのは、

強要していないこと。

少なくとも今回調べたカモシン農園では、

ジャクーは森林の中で暮らし、自分で農園へ来て、自分が食べたい実を選んで食べる。

農園側も、ジャクーが暮らせる森林環境を保全し、その存在を環境の健全さを示すものとして紹介しています。

鳥は鳥として生きる。

人間は、その鳥が残したものを利用する。

私はこの関係を見て、

ちゃんと共存してるんだな

と思いました。

だからもう、多少味が私の好みじゃなくても、

味のハードル、少しくらい下げてあげてもいい。

そんな気持ちになりました。


邪魔者だった鳥が、高級コーヒーを作る鳥になった

これ、考えてみるとすごい話です。

最初は、

「コーヒーの実を食べる困った鳥」

だった。

でもジャクーは、ただ自分の好きな実を食べているだけ。

変わったのは、

人間の見方。

邪魔者だと思っていた存在を排除するのではなく、

「この鳥がやっていることを、こちらが利用できないか」

と考えた。

私は、人間の生存能力ってこういうところにもあるのかもしれないと思いました。

困ったことを、別の方向から見る。

危機を逆手に取る。

ホモ・サピエンスがここまで生き残ってきた背景にも、そんな発想力が少しはあったのかもしれません。

……なんて、鳥のウンチから人類史まで考え始めました。

思考が放射状に広がっています。


ウンチコーヒー3兄弟、実は生まれ方が違った

ここまで来たので、ちょっと整理してみます。

コピ・ルアックは、インドネシアで長い歴史を持つ動物由来コーヒー。

ジャクーコーヒーは、カモシン農園では2006年に生産開始。

そしてブラック・アイボリーは、現在のブランドが2012年に始まった比較的新しいコーヒーです。

つまり

実は――

象さん、末っ子でした。

www

そして生まれ方も違う。

猫は、長い歴史の中から生まれた古参。

鳥は、困った存在を価値に変えた発想型。

象は、消化という仕組みを利用して新しい高級コーヒーを生み出した現代型。

同じ「ウンチコーヒー」でまとめていましたが、調べてみると全然違いました。


で、ジャクーコーヒーは美味しいの?

ここまで長々と調べましたが――

一番知りたいのは、結局そこです。

「で、美味しいの?」

科学的には豆の成分が変わっていることは分かっています

だから美味しいの?

そこまでは断定できません

そこ一番大事じゃんwww

これはもう、飲むしかありません。


日本で見つからないなら、現地へ行けばいい

ジャクーコーヒーは海外にも流通しています。

カモシン農園も、日本を含む複数の国への輸出実績を案内しています。

ただ、日本で気軽に見つけられるコーヒーではありません。

だったら。

作ってるところまで飲みに行けばいいじゃん。

ブラジルですけど?

地球の反対側ですよ?

うん

行こ!

こうして私たちは、

鳥のウンチからできたコーヒーを一杯飲むために、ブラジルへ飛ぶことになりました。


のあと一緒、ブラジル・カモシン農園へ

せっかく行くなら、ただコーヒーを飲むだけではもったいない。

まずは農園でジャクーを探したい。

木の上で、こちらを見ているジャクーを発見。

いた!天然の完熟チェリー選別機!

さっきリスペクトするって言った人が、もう機械扱いしてますwww

たぶん何も分かっていません。

そして実際に、ジャクーが自分でコーヒーチェリーを選んで食べているところを見る。

本当に誰にも食べろって言われてないんだなあ。

鳥は好きなものを食べる。

人間は、そのあとを拾う。

それだけなのに、一杯の高級コーヒーになる。


そして最後は、もちろん実飲です。

カップを前にして、今回の捜査の最終確認。

猫を超えたのか。

でも、もう3件目ですからね。

鳥のフンだからといって、今さら怖くありません。

私はカップを持って、たぶんこう言います。

「ウンチコーヒー、もう怖くないwww」

カップを口に運ぶ。

私には、コーヒーの味を細かく批評することはできません。

でも、不思議とホッとしました。

ジャクーはジャクーのまま、好きな実を食べている。

人間はそのあとを拾って、一杯のコーヒーにする。

邪魔者だった鳥を追い払うのではなく、同じ場所で一緒に生きる方法を見つけた。

そんな話を知ってから飲んだからなのかもしれません。

おいしい?

うん。なんか、ホッとする

たぶん、それで十分です。

さて。

コーヒー一杯のために、せっかく地球の反対側まで来たんです。
このまま帰るなんて、もったいない。

のあ

せっかくだから、ブラジル観光して帰ろうwww

はい

……ということで。

次回、のあと一緒・ブラジル観光編へ

だいじょうぶ

きっと、なんとかなるから

☕ コーヒー淹れて待ってる

🌸 また、いつでも遊びに来てね

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